この記事の監修者

デイビッド・チャン / David Cheung
アジア各国公認税理士
20年以上の経験を持つ国際税務の専門家。アジア主要国の低税率制度を活用した資産設計を得意とする。複雑な国際税務に適応し、最適な財務戦略を提供。日本語も堪能で、アジア圏の日本人投資家・企業からの信頼も厚い。

サミー・アル・ハッサン / Sammy Al Hassan
UAE弁護士
ドバイを拠点に会社法、不動産法、国際投資法を専門とする弁護士。ドバイでの企業設立、ビザ取得、居住権、商業ライセンスに関する包括的な法務サポートを提供。UAEの法制度を深く理解し、実用的な解決策を提示します。
「ドバイに移住したあと、私にも何かできる仕事はあるのかな…?」
このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ドバイは節税面での魅力が大きく、個人事業主やフリーランスの移住先として人気が高まっています。しかし、実際に暮らすとなると「現地での仕事事情」や「収入の目安」も気になるポイントですよ。
この記事では、ドバイで働く日本人の年収相場や仕事の探し方、ビザの要件までをわかりやすく解説します。
現地での仕事に不安がある方も、ぜひ最後まで参考にしてください。
- ビザや法人設立の手続きが複雑で、どこに相談すれば良いか分からない
- 現地の法規制や税制が分からず、ビジネスに不安を感じている
- 住居の契約や銀行口座の開設など、言語の壁がありスムーズに進まない

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ドバイへの移住・進出支援で多数の実績を持つ我々『タックスシフト株式会社』へご相談ください。現地を深く理解したコンサルタントが、お客様一人ひとりの状況に合わせて、ビザ取得から法人設立、不動産契約までワンストップでサポート。複雑な法務・会計手続きも、提携する専門家ネットワークを活かしてスムーズに解決へと導きます。個人の移住から法人の海外進出まで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。
ドバイには日本人向けの仕事が豊富にある
ドバイには日本人向けの仕事が豊富にあります。
そもそも、ドバイは住民の約9割が外国人という特殊な都市です。また、近年は節税を目的とした個人事業主や法人代表の移住が増加し、それに伴って日本語対応のサービスや日系企業の進出も進んでいます。
実際、外務省の調査によると、2022年時点でUAE在住の日本人数は約4,400人となっており、その多くがドバイに集中しているとされています。
このような背景から、ドバイでは日本人向けの雇用需要が一定数存在し、経験やスキルを活かせる職場を見つけることも十分に可能です。
ドバイ在住の日本人の主な就業先
ドバイに住む日本人が働いている職場は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 日系企業の駐在員
- 日系企業の現地採用
- 現地企業(外資系含む)の社員
駐在員については日本国内での就職が必要ですが、それ以外についてはドバイに来てから仕事を探すことも可能です。
ドバイ移住後の仕事の探し方

ドバイでの就職活動は、日本のような求人サイトや転職エージェントの活用に加え、人づての紹介も重要な手段のひとつです。
特にドバイでは、日本人同士のつながりが意外と強く、紹介を通じて仕事を得るケースも少なくありません。
ここでは、ドバイで仕事を探す際に有効な3つの方法について、具体的に解説していきます。
求人サイト
ドバイでの仕事探しにおいて、最も手軽で情報量が豊富なのが求人サイトの活用です。
現地企業や外資系企業の求人が多数掲載されており、日本にいながら情報収集をすることもできます。
サイト名 | 特徴 |
Bayt.com | 中東最大級の求人サイト。業種・職種問わず多数の求人が掲載。 |
GulfTalent | 管理職や専門職向けの求人が豊富。英語力がある方向け。 |
Dubizzle | ローカル企業の求人も多く、カジュアルな職種も多数。 |
Indeed UAE | 日本でもおなじみのIndeedの中東版。日本語検索は非対応。 |
登録時には英語の履歴書(CV)を作成する必要がありますが、テンプレートやオンラインツールを活用すればスムーズに準備できます。
また、求人を検索する際は「Japanese」「Japanese speaker」「Japan-related」といったキーワードを活用することで、日本人向けの求人を見つけやすくなります。
転職エージェント
ドバイでの仕事探しを確実に進めたい場合は、転職エージェントの活用も有効な選択肢です。
ドバイで利用できる主な転職エージェントは以下の通りです。
エージェント名 | 特徴 |
JAC Recruitment UAE | 日系企業への紹介に強く、日本語対応も可能な場合あり |
Michael Page Middle East | 管理職・専門職向け求人が多く、外資系に強い |
Robert Walters Dubai | 国際的な人材紹介会社。日本人の登録実績も多数 |
日系企業を狙う場合は、日本語が通じるエージェントを選ぶことで安心してやりとりできます。
注意点として、ドバイでは「登録後に積極的な連絡が来ない」ケースもあり得ます。
エージェント側の優先度を上げてもらうには、英語力や職歴、希望職種などを明確に伝え、レスポンスをこまめに返すことが大切です。
紹介
ドバイでは、日本人コミュニティ内の紹介を通じて仕事が見つかるケースも少なくありません。
特に現地に住む知人や、日本人向けのイベント・SNSグループなどでのつながりがある場合は、「誰かが退職するから後任を探している」といった非公開の求人情報が回ってくることもあります。
ただし、口約束だけで進めてしまうとトラブルになる可能性もあるため、契約書やビザの手続きは必ず正式に行うようにしましょう。
日本向けの在宅ワーク
海外在住者が日本企業の仕事や自身の事業を、インターネットを通じて自宅で行う働き方です。通常、海外で働くには就労ビザが必要ですが、在宅ワークの場合、日本企業に所属していても、またフリーランスとして日本の企業を相手に仕事をする場合でも、就労ビザは不要です。
海外在住者が在宅ワークでできる仕事例
- 翻訳:英語やその他の言語を日本語に翻訳する仕事。
- プログラミング:Webサイトやアプリの開発など。
- Webライター:ブログ記事やWebサイトの記事を執筆する仕事。
- Webデザイナー:Webサイトのデザインやコーディングを行う仕事。
- オンライン講師:英会話やプログラミングなど、オンラインで授業を行う仕事。
- オンラインアシスタント:企業の事務作業や秘書業務を代行する仕事。
- バイヤー:海外のブランド品などを現地価格で購入し、販売する仕事。
- ブログ・アフィリエイト:ブログを運営し、アフィリエイト広告で収益を得る仕事。
ドバイ移住後の仕事探しで必要なスキル

ドバイには外国人向けの仕事が豊富にあるとはいえ、希望の職に就くためには一定のスキルが求められます。
特に、国際的な職場が多いドバイでは、語学力や柔軟なコミュニケーション力が評価されやすく、専門的な資格を持っているとさらに有利になります。
ここでは、実際にドバイで就職・転職を目指すうえで重視される3つのスキルについて、詳しく解説していきます。
英語力
ドバイで仕事をするうえで、英語力は必須といっても過言ではありません。
特に、ホスピタリティ業界やカスタマーサポート、営業職などでは、日常会話レベル以上の英語力が必須となるでしょう。
TOEICやIELTSなどのスコアが求められるケースもありますが、それ以上に「実践的に使えるか」が重視される傾向にあります。
そのため、英語に不安がある場合は、渡航前にビジネス英会話を中心に学んでおくのがおすすめです。
コミュニケーション能力
英語力と並んで重要なのが、異文化の中で円滑にやり取りできる「コミュニケーション能力」です。
ドバイには200以上の国と地域から人々が集まっており、職場も非常に多国籍です。そのため、文化や価値観の違いを尊重しながら柔軟に対応できる姿勢が重視されます。
たとえ業務スキルが高くても、相手の文化や考え方を理解できないと職場での信頼を築くのは難しくなります。
逆に、積極的にコミュニケーションをとり、周囲と良好な関係を築ける人は、現地でも高く評価されやすくなるでしょう。
特に日本人は「控えめすぎる」と見られることがあるため、自分の考えを適切に伝える練習をしておくと安心です。
専門資格
ドバイでは、英語力や人柄だけでなく、特定の分野で専門性を証明できる資格があると、就職・転職活動をより有利に進められます。
例えば、医療従事者ならDHA認定ライセンス、不動産業者ならRERA認定資格などが挙げられます。
ただし、専門資格については現地での実務経験を必須としているケースも多いので、まずは資格なしで始められる仕事を探すのが現実的です。
ドバイの仕事事情
ここからは、ドバイで実際に働く日本人の年収や通勤事情、残業時間など、仕事にまつわる基本情報をわかりやすく紹介していきます。
ドバイで働く日本人の平均年収は約750万円
ドバイで働く日本人の年収は、業種や職種によって大きく異なりますが、一般的には年収700万円~750万円前後が一つの目安とされています。
駐在員の場合はさらに高水準で、年収1,000万円超も珍しくありません。さらに住居・学費・医療費などが企業負担となるケースもあります。
ドバイ全体の平均年収は1,000万円程度とされているので、平均と比べるとそこまで高いわけではありませんが、日本の平均年収よりは高くなるといえるでしょう。
ドバイの通勤方法は公共交通機関
ドバイでは、地下鉄・バス・トラム・タクシーといった公共交通機関が整備されており、多くの日本人もこれらを活用して通勤しています。
特に地下鉄は路線が明確で、主要エリアを網羅しているため、通勤や移動に便利でしょう。
なお、現地で働く日本人の多くはドバイマリーナ・ダウンタウンといったエリアに居住しており、これらはビジネスエリアへのアクセスも良好です。
ドバイの残業時間は1日2時間以内
ドバイでは、労働法によって1日の残業時間は最大2時間までと明確に制限されています。
これはUAE労働法に基づく規定で、違反した企業には罰金が科されるため、法令順守の意識が高い企業ほど、長時間労働が発生しにくい環境が整っています。
また、3週間の労働時間も144時間までとされているほか、ラマダン中は労働時間そのものを1日2時間短縮しているため、日本と比べると働きやすい環境といえるでしょう。
ドバイで仕事をするには就労ビザが必要
ドバイで合法的に働くためには、就労ビザ(ワークビザ)の取得が必須です。
一般的に、就労ビザは雇用主がスポンサーとなって取得手続きを進める仕組みになっており、ビザが発行されるまでは自由に働くことは原則できません。
そのため、企業との契約が決まり次第、なるべく早く申請手続きに入ることが重要です。
また、就労ビザが発行されると、そのビザに紐づいたエミレーツID(国民身分証)の取得が必要となり、銀行口座開設や携帯契約などにも使われます。
なお、最近ではフリーランス向けのビザ制度も整備されつつあり、特定の条件を満たすことで個人での就労やリモートワークも可能になるケースがあります。
自営業や個人事業主の方は、フリーランスビザの制度についても確認しておくとよいでしょう。

ドバイ移住後の仕事に関するよくある質問
最後に、ドバイ移住後の仕事に関するよくある質問の中から特に多い5つを取り上げて紹介します。
- ドバイでの仕事探しは、日本にいるうちからできますか?
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はい、日本にいるうちからドバイの仕事を探すことは十分に可能です。 Bayt.comやGulfTalent、Indeed UAEなどのオンライン求人サイトを活用すれば、日本にいながらにして現地の求人情報を収集し、応募することもできます。また、JAC Recruitment UAEのような日系転職エージェントを利用すれば、日本語でのサポートを受けながら、より効率的に仕事探しを進めることが可能です。
- ドバイでの残業はどれくらいありますか?日本の働き方と違いますか?
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ドバイでは、労働法によって残業時間が厳しく制限されており、日本と比較して長時間労働は少ない傾向にあります。 UAEの労働法では、1日の残業は最大2時間までと明確に定められており、これに違反した企業には罰金が科せられます。また、3週間の労働時間も144時間までとされているほか、ラマダン期間中は労働時間がさらに短縮されます。このため、多くの企業で法令順守の意識が高く、日本のような過度な残業は発生しにくい環境と言えるでしょう。
- ドバイに移住して日本の企業のリモートワークを続けることは可能ですか?
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はい、ドバイに居住しながら日本の企業のリモートワークを続けることは可能です。 この場合、通常、ドバイの就労ビザは不要ですが、ドバイに合法的に居住するためのビザ(例:バーチャルワーキングビザ、フリーランスビザなど)が必要になります。翻訳、プログラミング、Webライター、Webデザイナー、オンライン講師など、オンラインで完結する多様な仕事が選択肢となります。ただし、日本の税務上の非居住者となる手続きを適切に行う必要があります。
- ドバイの日本人コミュニティは、仕事探しに役立ちますか?
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はい、ドバイの日本人コミュニティは仕事探しにおいて非常に役立つことがあります。 ドバイでは、日本人同士のつながりが強く、非公開の求人情報や「誰かが退職するから後任を探している」といった情報が、コミュニティを通じて回ってくるケースも少なくありません。日本人向けのイベントやSNSグループへの参加は、人脈を広げ、思わぬ仕事の機会に繋がる可能性があります。ただし、口約束だけでなく、必ず正式な契約書やビザの手続きを行うことが重要です。
- ドバイでのキャリアアップや転職のチャンスは豊富ですか?
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はい、ドバイは急速に発展している都市であり、キャリアアップや転職のチャンスは豊富です。 新しい産業や企業が次々と参入しており、常に新しい人材を求めています。一度ドバイでの職務経験を積めば、多国籍な環境での経験として高く評価され、さらに有利な条件での転職や、管理職への昇進の機会が増える可能性があります。特に成果主義の文化が強いため、実績を出せば出すほど、キャリアの選択肢が広がっていくでしょう。
まとめ
ドバイは、高収入や税制メリット、多国籍なビジネス環境といった魅力がある一方で、仕事探しや働き方には日本とは異なるルールや文化があります。
特に就労ビザの取得、英語での契約書、異文化への理解など、慎重に進めるべきポイントも多く存在します。
しかし、求人サイト・転職エージェント・紹介などの手段を活用すれば、日本人でも現地で働くチャンスは十分にあります。
また、海外に住みながら日本語で日本のビジネスでリモートワークで働く方法も非常に人気です。
必要なスキルや資格を身につけ、現地の常識を尊重する姿勢を持つことで、安心してキャリアを築くことができるでしょう。
「ドバイで本当に働けるのかな…」と不安な方も、まずは情報収集から始めてみてください。準備をしっかり整えることで、移住後の仕事探しもスムーズに進められるはずです。