「ドバイに移住すれば、節税になるし快適な暮らしができるはず」

そんな期待からドバイ移住を検討している方も多いのではないでしょうか。

ドバイは税制面での優遇やインフラの整備が進んでおり、海外移住先として高い人気を誇っています。

一方で、「物価が高くて生活が大変だった」「文化や宗教の違いに戸惑った」など、移住後に後悔する人も少なくありません。

この記事では、ドバイ移住でよくある後悔の理由や、移住に向いていない人の特徴、失敗を避けるための方法を具体的に解説します。

「自分にとって本当にドバイが合っているのか」を見極める参考にしてみてください。

ドバイ移住でよくある後悔とその理由

ドバイ移住には大きなメリットがある一方で、実際に暮らしてみて初めて気づく「不便さ」や「ギャップ」も少なくありません。

ここでは、ドバイ移住でよくある後悔とその理由について、具体的なケースを紹介していきます。

物価が高く、生活費がかかる

ドバイの物価は、日本と比べて全体的に1.2～1.3倍ほど高く、それが理由で移住後に後悔してしまう人が多いです。

特に外食費や嗜好品に関しては日本よりも高額で、中心部のレストランでランチを取るだけでも1食3,000円前後になることも珍しくありません。

さらに、お酒やタバコには高額な税金が課せられており、ビール1本で約1,000円、タバコ1箱で700円ほどと、日本よりもかなり高くつきます。

一方で、タクシーやフードデリバリーといったサービス料金は比較的リーズナブルで、ガソリンも1Lあたり130円前後と安価なため、移動コストは抑えられます。

実際、一人暮らしであれば月10万〜20万円程度の生活費で暮らせるという声もあり、住まいの選び方やライフスタイル次第ではコストをコントロールすることも可能です。

ただし、想像以上に出費がかさむ分野もあるため、「節税で得した分を日常生活で使い切ってしまった」という事態を避けるには、事前に生活コストのシミュレーションをしておくことが大切です。

日本の非居住者となるための手続きが面倒

ドバイに移住する際、税金や社会保険料の負担を抑えるためには、日本の「非居住者」としての手続きをきちんと済ませる必要があります。

しかし、この手続きは思った以上に複雑で、準備に時間がかかることもあるため「こんなことなら移住しなければよかった」と後悔する人も少なくありません。

非居住者となるために必要な主な手続きは、以下の通りです。

• 住民票の除票（海外転出届の提出）
• 国外マイナンバーカードの発行手続き
• 国内資産に関する手続き

これらを怠ると、最悪の場合、移住後も「日本の居住者」とみなされ、想定外の税金が課せられる可能性があります。

そのため、ドバイ移住前に専門家に相談し、確実かつ段階的に手続きを進めておくことが大切です。

日本から遠く、家族や友人に会えなくなる

ドバイと日本は、距離にして約7,800kmも離れており、行き来には直行便でも10時間以上かかります。

そのため、気軽に帰省したり、友人と会ったりすることが難しくなる点に注意が必要です。

実際、移住直後は刺激的な毎日でも、時間が経つにつれて孤独感や日本へのホームシックを感じ「移住しなければよかった」と後悔する人も少なくありません。

また、年に1〜2回の一時帰国を予定していても、航空券代が高騰していたり、仕事の都合が合わなかったりして断念することもあります。

日本の家族や友人との距離が気になる方は、移住前に「会えないことの覚悟」が必要といえるでしょう。

一部のインターネット利用に制限がある

ドバイでは政府の規制により、一部のインターネットサービスにアクセス制限がかかっているため、日本と同じ感覚でネットを使おうとすると戸惑うことがあります。

特に在住者の間で多い不満の一つが「通話アプリの制限」です。

たとえば、ドバイでは以下のようなサービスに制限があります。

• LINEの音声・ビデオ通話
• Skypeなど一部の通話サービス
• VPN（一部のみ）

そのため、連絡手段としてはUAEで認可されている「BOTIM」や「ToTok」などのアプリを活用する必要があります。

こうした制限は「日本の家族と自由に話せない」「リモートワークに支障が出る」といったストレスの原因にもなるため、移住前に代替手段を整えておくことが重要です。

宗教などの文化の違いがある

ドバイはイスラム教を国教とする国であり、生活のさまざまな場面に宗教的・文化的な価値観が深く根付いています。

外国人に対しては比較的寛容な都市とはいえ、日本とは大きく異なる慣習に戸惑いを覚える人も少なくありません。

特に注意が必要なのは、以下のような文化・マナーです。

• ラマダン期間中の飲食制限
  日中に公共の場での飲食が禁止されるため、配慮が必要です。
  
• 露出の多い服装や公のスキンシップ
  肌の露出が多い服や、恋人・夫婦間での公の場でのスキンシップは控えるのがマナーです。
  
• 飲酒・喫煙のルール
  酒類はライセンスのある場所以外では原則禁止されており、罰則の対象になることも。
  
• 宗教関連の発言・行動への配慮
  イスラム教を軽んじるような発言は厳禁で、法律違反となる可能性もあります。
  

異文化への理解と尊重は、現地で快適に暮らすうえで欠かせません。

特に日本の「当たり前」が通じない場面では、価値観の違いにストレスを感じることもあるでしょう。

そのため、移住前にイスラム文化について基本的なマナーを知っておくと安心です。

ドバイ移住を後悔しがちな人の特徴

ドバイはビジネスチャンスや税制のメリットがある一方で、生活面では日本とはまったく異なる環境に身を置くことになります。

そのため、どんな人でも移住すればうまくいくとは限りません。

「住んでみたけれど、想像と違った」「思っていた以上にストレスが多い」と後悔してしまう人には、ある程度共通する特徴があります。

そこでここでは、ドバイ移住で後悔しやすい人の特徴について見ていきましょう。当てはまる点が多い場合は、移住前の準備や心構えを見直しておくことが大切です。

英語が全く話せず、勉強したくない人

ドバイはアラブ首長国連邦に属していますが、実際の生活では英語が共通語として広く使われています。

アラビア語を話せなくても問題はありませんが、英語がまったくできないと、日常生活や行政手続きの中で不便を感じる場面が増え「こんなに生活しづらいとは思わなかった」と後悔してしまう可能性があるでしょう。

特に、以下のような場面では英語力が求められます。

• 役所・銀行・病院などでの手続き
  書類や会話のほとんどが英語表記・英語対応です。
  
• タクシーやスーパーでの会話
  基本的な買い物や移動でも、英語でのやり取りが必要になることが多いです。
  
• コンドミニアムやシェアハウスでのルール説明・契約
  契約内容の確認や注意事項を理解できないとトラブルに発展する可能性も。
  

もちろん、現地では多国籍な人々が暮らしており、完璧な英語を話す必要はありません。

しかし、最低限の会話や読解力がないとストレスがたまり、せっかくの移住生活が「不安」と「孤立感」で終わってしまうこともあります。

そのため、移住に向けて英語を勉強したり、現地の日本語サポートを受けられる支援会社に相談したりするなど、事前に対策しておくとよいでしょう。

ドバイ移住後も頻繁に日本に帰りたい人

「年に数回は日本に帰省したい」「友人の結婚式や親の介護でいつでも戻れる距離がいい」など、日本との往来を前提にしている人は、ドバイ移住を後悔してしまう可能性が高いです。

その理由は以下の通りです。

• 直行便でも往復20時間・フライト代は常に高め
• 突発的な用事にすぐ対応できない距離感
• 帰国を繰り返すことで非居住者認定や税務処理が複雑化
• 「結局、日本にいた方がよかったのでは…」と感じやすくなる

また、精神的な面でも「日本と完全には離れたくない」「安心できる場所にすぐ戻りたい」という気持ちが強いと、現地での生活に適応しきれず、長期的な移住に不向きと感じることもあります。

移住とは「生活の拠点を移す」という選択です。

日本との距離感がストレスになりそうな方は、短期滞在や二拠点生活の検討から始めてみるのもひとつの方法でしょう。

ドバイ移住を後悔しないためにできること

ドバイ移住で後悔しないためには、「理想」だけでなく「現実」をきちんと理解し、事前に備えておくことが何より大切です。

SNSやインフルエンサーの発信だけを鵜呑みにしてしまうと、現地での生活にギャップを感じ、「思っていたのと違った」と後悔しやすくなってしまいます。

後悔を防ぐためには、移住前に以下のような準備を徹底するようにしましょう。

• 現地の生活費・文化・制度を事前にリサーチする
• 一時滞在や視察ツアーで生活をシミュレーションする
• 日本の税務・保険・年金に関する整理を済ませておく
• 現地で信頼できる移住サポート会社を活用する

また、「ドバイなら何とかなる」という期待だけで判断するのではなく、自分や家族にとって本当に合っている選択かどうかを冷静に見極める視点も必要です。

自力での判断が難しい場合は、専門家に相談しながら準備を進めることで、移住後の不安や後悔を大きく減らすことができます。

ドバイ移住で後悔しないために：よくある質問と対策

最後に、ドバイ移住後の仕事に関するよくある質問の中から特に多い5つを取り上げて紹介します。

ドバイは宗教的な国と聞きますが、日常生活で特に気をつけるべきマナーや服装はありますか？

はい、イスラム文化への理解と尊重が非常に重要です。 特に、ラマダン期間中の日中の公共の場での飲食は控えるべきです。また、公共の場での過度な肌の露出や、恋人・夫婦間の公の場での過剰なスキンシップは避けるのがマナーとされています。飲酒は特定のライセンスを持つ場所でのみ許可されており、公共の場での飲酒は厳禁です。現地の文化や習慣への配慮を心がけることで、トラブルを避け、円滑な生活を送ることができます。

日本の税務上の「非居住者」になる手続きは、具体的にどこで、どんな書類を提出しますか？

主に日本の市区町村役場と税務署での手続きが必要です。 まず、日本を離れる際に住民票の除票手続き（海外転出届の提出） を行います。これにより、住民税や国民健康保険の対象から外れます。次に、所得税に関しては、税務署に「居住者・非居住者の区分に関する届出書」などを提出し、非居住者として認定されるための手続きを進めます。国外転出時課税制度の対象となる場合は、別途手続きが必要です。これらの手続きは複雑なため、必ず税理士などの専門家と相談しながら進めることを強くお勧めします。

ドバイは日本人にとって住みやすい環境ですか？

一面では住みやすいですが、完全にそうとは限りません。 住みやすい点としては、治安の良さ、整備されたインフラ、豊富な娯楽施設、そして税制優遇が挙げられます。また、日本食レストランや日本人コミュニティも存在します。一方で、住みにくい点としては、夏場の猛暑、物価の高さ（特に外食や嗜好品）、特定のインターネットサービスへの制限、そしてイスラム文化への適応が挙げられます。個人の価値観やライフスタイルによって、住みやすさの感じ方は大きく異なります。

ドバイ移住前に、現地での「一時滞在」や「視察ツアー」は有効ですか？

非常に有効です。強くお勧めします。 一時滞在や視察ツアーは、実際のドバイの生活を肌で感じ、ウェブサイトの情報だけでは分からない現地の雰囲気や物価、交通事情、気候などを直接体験できる貴重な機会です。これにより、移住後のギャップを最小限に抑え、「思っていたのと違った」という後悔を防ぐことができます。実際にスーパーで買い物したり、公共交通機関を使ってみたりするなど、日常生活をシミュレーションしてみましょう。

ドバイ移住のメリットとして「節税」以外にどんなことがありますか？

節税以外にも、ドバイ移住には多くの魅力があります。 高い治安レベル、世界中からビジネスが集まる国際的なハブとしての発展性、多様な国籍の人々と交流できる多文化共生社会、そして充実した教育・医療インフラなどが挙げられます。ビジネスチャンスも豊富で、特にITや金融、不動産といった分野では、成長の機会が多いでしょう。また、高級リゾートやエンターテイメント施設も充実しており、質の高いライフスタイルを送ることが可能です。

まとめ

ドバイ移住には、税制上のメリットや高水準なインフラ、国際的なビジネス環境といった多くの魅力があります。一方で、物価や文化、距離の問題など、日本との違いに戸惑い、後悔する人も少なくありません。

移住後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためには、事前の情報収集や心構えが不可欠です。

生活費や制度の違いを理解し、言語や文化の壁にも向き合う準備をしておくことで、移住後のストレスを大きく軽減できるでしょう。